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アモーレパシフィック、皮膚バリア調節因子EGR3発見

Global 2021-05-07
  • 5日開かれた世界皮膚研究学会オンラインポスター討論セッションで成果を発表
  • バイオビックデータ分析を通じEGR3発見及び後成遺伝学的調節機転を究明

アモーレパシフィック(徐慶培代表取締役会長)がバイオビックデータ分析技術を活用し皮膚バリア形成を調節するEGR3遺伝子の役割と後成遺伝学的(エピジェネティクス)機転を究明した。今回の研究結果を5月3~8日、オンライン上で行われる世界皮膚研究学会(Society for Investigative Dermatology)学術会議で「EGR3の後成遺伝学的調節による皮膚バリアの形成(Skin Barrier Formation by Epigenetic Regulation of EGR3)」という題目で発表した。

世界皮膚研究学会は皮膚研究分野において最も権威ある学会だ。アモーレパシフィックはこの学会で2019年化粧品業界では初めて口頭発表をし、今年で2回目だ。

皮膚バリアは外部環境の多様な有害因子から身体を保護する一次的バリアだ。皮膚バリアが正常的に形成され機能するためには、表皮の顆粒層にある角質形成細胞の役割がとても重要だ。今まで角質形成細胞の分化と発達過程に関連する研究は多く行われたが、これを総体的に調節する遺伝子を見つけるのは容易でなかった。

アモーレパシフィックSulwhasoo漢方科学研究センターのキム・ギュハン博士は、バイオビックデータ研究を通じて表皮の顆粒層に特異的に存在する転写因子(Transcription Factor)であるEGR3遺伝子が、皮膚バリアを形成する遺伝子であることを確認した。そして、アトピー性皮膚炎及び皮膚扁平上皮癌などの病変部位では、この遺伝子の発現が著しく減少していることも観察できた。

人工皮膚モデルを通じ観察した結果、EGR3の機能が抑制されれば不全角化症が発生し健康な皮膚バリアが形成されないことが分かった。また、EGR3が皮膚バリア形成に重要な遺伝子の発現を統合的に調節するためにEnhancer RNAを通し後成遺伝子的な方法を利用することも分かった。

アモーレパシフィックは皮膚バリア形成過程におけるEGR3の役割を探し、後成遺伝学的調節機転を究明することにとどまらず、シャクヤク根抽出物を処理すれば角質形成細胞のEGR3発現が選択的に増加し、これにより皮膚バリアが強化されるという事実を究明した。また、化粧品素材化段階までの研究も行った。

皮膚バリアは健康なお肌の基本である。皮膚バリア形成に主な役割を果たす遺伝因子を探し、ただ機転を解釈するだけでなく、これを選択的に調節し健康なバリアを形成する素材まで確認することで皮膚の損傷を緩和し、健康に管理できる化学的根拠を設けたという点でとても意義深い。

アモーレパシフィック技術研究院は、約7年間製品研究開発と皮膚科学発展のために努力してきた。今回の研究から得た成果を背景に化粧品素材を開発し、自社製品に適用した。これからも顧客に健康と美を提供するという責任感を持ち皮膚と皮膚遺伝子で起きる現象を究明し、より良い皮膚ソリューションを提供するための研究を続けるつもりだ。